Seminarium Musicum.Ohozacaスタッフ紹介
講師 宇田川貞夫(うだがわさだお)
横浜生れ。ヴィオラ・ダ・ガンバを大橋敏成氏に師事。
1974年、ベルギー・ブリュッセル王立音楽院に留学。ヴィオラ・ダ・ガンバをW.クイケン、室内楽をP・ドンブレヒトの両氏に師事。同音楽院に在学中、Ch.ケーニヒ氏の主催する「アンサンブル・ポリフォニー」のメンバーとして、ヨーロッパ各地でコンサート、テレビ、ラジオ等に出演。´78年同音楽院をディプロマを得て卒業。
帰国後は、「バッハのガンバ・ソナタ全曲演奏会」等のリサイタル('85,'99)を始め、「バッソ・コンティヌオのリサイタル」、「みなと・よこはま・バロックシリ-ズ」、名古屋「ア-ベント・ムジ-ケン」等のシリーズ演奏会を企画するなどし、各地で多彩な演奏活動を展開している。また86年より、「都留音楽祭」を企画制作。97年より「札幌古楽の夏音楽祭」を主催し、音楽監督に就任、昨年,第7回を開催した。
また近年は、指揮者としての活動も始めており、1991年10月、静岡、栃木でのバッハ:ロ短調ミサ、12月モーツァルト:ピアノ協奏曲を始めとして、ルネッサンスから古典派までの作品に意欲的に取組んでいる。
最近特に声楽指導者としての評価が高く、優れた若手声楽家を育てている。「語感と音感」というコンセプトによりバロック初期のモンテヴェルディから山田耕筰まで、幅広い視野を持って取り組んでいる。95年よりセシル・レコードを発足させ、プロデューサーとして、優れた内容のCDを制作している。現在、東京古楽集団主宰、東京モンテヴェルディ合唱団指揮者、セシル・レコード・プロデューサー。
鍵盤奏者(伴奏) 下西美都(しもにしみと)
神戸生まれ、西宮育ち。甲南女子中・高等学校卒業、神戸女学院大学音楽学部音楽学科チェンバロ専攻卒業。大学卒業と同時にソロデビューし、プロのチェンバロ奏者として活動を始める。在学中キャンペーンガールをしていたことから大阪で行われたモーターショーに撮影会のモデルとして参加し、ミスコンテストで準優勝するなど多方面において活躍。2003年ベルギーへ移住しヨーロッパでも音楽活動をスタート。同年アントワープでフォルテピアノを学び、翌年オランダに渡り、アムステルダム音楽院古楽器科フォルテピアノ専攻で学ぶ。バルト・ファン・オールト、スタンリー・ホッホランドの両氏に師事。2005年7月ァースト・アルバム「ゾイフツェル」をアムステルダムで収録。また定期的にオランダのユトレヒト国際古楽音楽祭フリンジコンサートから招待を受けて出演し好評を得、ワルトシュタイン・ソナタの演奏には観客が全員総立ちとなった。2008年王立デンハーグ音楽院をディプロマを取得して卒業した後、ベルギーへ帰国し王立ブリュッセル音楽院古楽器科フォルテピアノ専攻に入学、ビート・クイケン、ボーヤン・ボデニチャロフの両氏に師事。クイケン兄弟の室内楽レッスンを受ける。2010年同大学院修士課 程を卒業。2009年アムステルダムでビオンディが特別審査員を務めた「第15回ファン・ワッセナー国際コンクール」で2位を受賞し、グスタフ・レオンハルト氏より「あなたに敬服します。あなたはとてもデリケートに演奏します。」という高い評価を得た。現在は拠点を日本へ移し、世界でも数少ないチェンバロ、フォルテピアノ奏者として、精力的にヒストリカル・パフォーマンス研究に取り組んでいる。
鍵盤奏者(伴奏) 川井博之(かわいひろゆき)
1968年、大阪に生まれる。6歳からピアノを高木加津子に師事。東大阪市立弥刀中学校でマンドリンオーケストラの指揮を担当、大阪府立高津高校では、吹奏楽部でホルン、指揮、作曲、編曲にとりくみ、アンサンブルのおもしろさに目覚めた。1987年京都大学文学部に入学、理学部の有志とともに自主ゼミ「数理哲学ゼミ」を結成し、数学、哲学、宗教と音楽の関連を研究した。文学部哲学科(哲学専攻)ではバートランド・ラッセルの論理学、同大学院文学研究科(哲学専攻)では数学と音楽の哲学を専攻。大学院在学中、中野振一郎にチェンバロを師事。修士課程修了後、関西を中心にチェンバロの演奏活動を開始。また、音楽教育にも興味をもち、1998~2003年、楽譜の読めない大人のためのピアノメソッドを開発する「トツカ・ピアノ・メソッド振興会」の指導講師、事務局を務めた。
2003年秋、大阪市内に「川井博之チェンバロハウス」を設立。
現在は演奏活動とともに、演奏の身体技法、ヨーロッパの言語と音楽の関係、ヨーロッパ哲学の伝統と音楽の関係などについて研究成果の発表、一般学習者向きカリキュラムの実用化にむけて作業中。バロック以前の音楽の総合性と20世紀音楽の開かれた性格をとりいれて、現代的で応用性が広く、しかも初心者、部外者が気軽に出入りできる音楽教育にとりくんでいる。